2020年4月12日現在、RaccoonWalletにおいて、インポートまたは新規作成してリンクされたNEMアカウントへのアクセスができない不具合が発生しています。
ここでは不具合の状況と、緊急を要する際の、ブロックチェーンアカウントへの代替的なアクセス方法についての案内を記載します。
アプリからアカウントにアクセスできなくなっても、残高が操作不可能になったわけではありませんが、緊急を要する場合には、後述する手順を踏むことで他のブロックチェーンクライアント(ウォレット)から、自身のアカウント――この場合、NEMのアカウント――にアクセス可能です。

更新情報

2020/07/14
PWAへの案内を追記しました。

不具合について

現在が確認できているのは、Android版のみとなっています。
以下のような不具合が確認できました。

・インポートまたは新規作成してリンクされたNEMアカウントへが存在する場合、 アプリ起動時にローディング画面からHOME画面に移行しない。
・もしローディングが完了しても、残高が00000……と正常ではない値が表示される。

対処法の案内

はじめに|ブロックチェーンの仕組みの解説

アプリからアカウントにアクセスできなくなっても、残高が操作不可能になったわけではないと上述しました。

これは、暗号通貨の残高は「ウォレット」に入っているわけではなく、分散的に存在するノードと呼ばれるポイントに、計算・報告・共有・同期といったプロセスを通じて、貨幣やトークンがそれぞれの暗号通貨のブロックチェーンごと記録されるものであり、それらは基本構造が技術文書に沿って開発されているウォレットであれば、どのようなものでも秘密鍵を用いてそのブロックチェーンにアクセスし、残高確認や資金移動等の操作を行うことができるというブロックチェーンの仕様に依ります*1。

そのため、アカウントごとの秘密鍵が判明してさえいれば、各自に発行されたブロックチェーンアカウントはその電子的なトークンの移転作業のようなことを行うことなく、「ウォレット」を自由に変更することができます。

*1|一般に暗号通貨・トークンを保管するソフトウェアを「ウォレット」と呼称しますが、暗号通貨またはトークンを扱うソフトウェアとして、「ウォレット」という名称はかなりの部分でミスリーディングを促進するものだと考えられます。「ウォレット」は入れ物ではなく、どちらかというとUFOキャッチャーの操作パネルのような遠隔操作の道具というイメージが正しい認識です。本来的には「メーラー」や「ブラウザ」のように、言葉の中に能動的な行為的意味合いが含まれた名称が必要だと考えています。余談になりますが、これは「Virtualという単語の本意が『実質上の、事実上の、実際上の、実質的な・実体・事実ではないが本質を示すもの。』であり、訳語が『仮想』であるのは正しくない」ことと同じ性質の問題ですが、また同時に「一度定着したものは、なかなか変わることは難しい」という同じ問題を抱えています。

対処法

1. 秘密鍵のエクスポート

秘密鍵は、各自に発行されたブロックチェーン上の領域への唯一のアクセス手段になります。秘密鍵を使うことで、ウォレット間でのブロックチェーンアカウントのインポート・エクスポートが可能になります。

Raccoonにおいて、ブロックチェーンアカウントの秘密鍵のインポート・エクスポート機能は実装されており、今回の場合において重要なエクスポート機能は現在のところ機能することが確認できました。

アカウントごとのエクスポート手順は下記の通りです。

1.ホーム画面を表示>上部メニューバーに吊り下がっているウォレットバーのボタン>「ウォレット管理」画面に移動する。
2. アカウント一覧の右側にある設定アイコン>「ウォレットの設定」画面に移動する。
3.一般設定
   ┗「ウォレットのバックアップ」を選択する。
4.指紋認証またはピンコードでロックを解除する
5.プライベートキー(秘密鍵)についての注意事項に目を通す。
6(完了).秘密鍵が表示されます。文字列をタップしてコピーし、パスワード管理ソフトなどの暗号化による保護が有効な安全な領域に保存してください。

ブロックチェーンクライアントの移行について

ブロックチェーンクライアントの移行

クライアントの乗り換え、つまり別のウォレットソフトウェアでの残高確認やアセット操作などを行うためのアカウントのインポートの詳細な方法は、それぞれのウォレットのドキュメントなどを参照する必要がありますが、基本的にはブロックチェーンの種類と秘密鍵によるインポートにウォレットが対応していれば移行可能です。

これはすなわち、ウォレットの中には秘密鍵によるアカウントのインポートに対応していないものもあるということを意味します。このような、ユーザーに秘密鍵の所有権を移譲せずに暗号通貨・トークンの保管サービスを提供しているウォレットは、一般に「カストディアル・ウォレット」と呼ばれており、信頼性の低さから一般には長期の保管には向かないとされています。対して、秘密鍵をユーザー自身の責任で管理するように設計されているウォレットを「ノンカストディアル・ウォレット」といいます。

先に手順を記載したように、Raccoonはノンカストディアル・ウォレットであるため秘密鍵をエクスポートすることが可能です。繰り返しになりますが、クライアントの移行には、合わせて移行先も ノンカストディアル・ウォレットである必要があります。
現在RaccoonはNEMのみの対応になっていますので、以下にノンカストディアル・ウォレットであり、かつNEMブロックチェーンに対応したブロックチェーンクライアントを――すべてではありませんが――記載しましたので移行の参考にしてください。

追記|2020年7月14日
動作確認ができたため、RaccoonWalletのPWA版を追記しました。
ただし継続的なメンテナンスが行われていないため非推奨です。

NEMに対応しているノンカストディアル・ウォレット一覧

Show CommentsClose Comments

Leave a comment

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください